創立150周年をお祝いして
東京高等学校同窓会長 三枝 香容子
創立150周年おめでとうございます。
150年前といいますと、新橋-横浜間に鉄道が開業した年でもあります。文明開化を象徴する明治5年に、上野清先生が18歳で上野塾を創立されました。昭和9年に現在の鵜の木に校舎を移転し、昭和29年に東京高等学校と改称いたしました。昭和46年に男女共学になり、私は6年後に入学しましたが、当時1年生280人の中で女子生徒が19人しかいませんでした。初めはだいぶ戸惑いましたが、先生方や女子の先輩方も優しく接して下さり、あまり不便を感じることもありませんでした。その後は女子生徒も多く入学するようになり、平成3年には半数を超えるまでになりました。
学校周辺の様子もだいぶ変わりました。マンションが立ち並び、商店街も新しい店が増え昔からの店は数軒ほど。東急東横線・目蒲線の多摩川園駅は遊園地が無くなり、駅名が多摩川に変わり、目蒲線も多摩川線になりました。そして、今では古い校舎になっていますが、昭和51年に一号館が落成し、立派な佇まいを横目で見ながら、当時教室のある旧校舎で授業を受けていました。現在では教室や体育館、食堂もとても明るく現代的な造りになり、河川敷のグランドや土手を散歩する人々の姿を見ることが出来て、いつも心豊かにさせてくれます。
昭和49年に同窓会が再建され、第一回総会が行われました。初代会長の近藤廣氏から私で8代目になります。同窓会幹事の中で、親子二代で卒業された方が私を含め数名おります。自分がお世話になった先生方に、子供たちも教わることが出来るのは、私立の良いところだと思います。これから先、孫世代の子供たちが入学して来ることでしょう。もしかすると三代続いている方がもういらっしゃるのではないでしょうか。
現在同窓会会員は、一万人を超える大きな組織となっています。同窓生同士が繋がり、同窓会と学校を繋げることが同窓会の役割と思っています。150年という長い歴史の中で自身が生徒として、親としてまた同窓会会長として母校に携われたことに誇りを感じております。この日を迎えられたことに改めて心より御祝い申し上げ、母校の益々の発展と教職員、生徒の皆さんのご活躍を祈念し、御祝いの言葉とさせていただきます。
創立100周年をお祝いして
東京実業高等学校同窓会長 酒井 利夫
この度は、学校法人上野塾東京実業高等学校の創立100周年を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。
東京実業高等学校が創立されて以来、着実に歩み続け、今日まで発展を築いてまいりましたのは、これもひとえに歴代の理事長先生、校長先生をはじめ、諸先生方、保護者の皆様方の教育に対する期待と情熱、そして献身的なご指導の賜物であり、長年にわたるご尽力に対し、心より敬意と感謝を表す次第であります。
さて、私が東京実業高等学校に在学致しましたのは昭和50年から、53年の3年間になります。当時は機械科、電気科、商業科の3科しかなく、私は機械科に入学しました。3年間クラス替えが無く担任の先生も同じで、私は3年間学級委員長をさせて頂きました。
当時の学校は校庭の周りを校舎で囲まれた感じの造りでした。いつも登校をすると門には先生や風紀委員の生徒たちが立ち、服装や持ち物(靴など)のチェックなどをされていたような思い出があります。そのせいか意外と皆まじめだったようなイメ-ジがあります。
卒業後私は大学へ進学をし、工業大学で4年間機械工学科という学部に在籍した後、自動車の販売会社へ入社いたしました。3年9ヶ月後27歳の時に脱サラをし、会社を立ち上げて色々な事業を行ってまいりましたが、10数年経った頃知人の誘いで、ベンチャ-企業のお手伝いをさせて頂く事になりました。そこはまさしく高校や大学で勉強していた時を思い出すような技術を使った開発を行っていました。材料力学、熱力学、流体力学といった技術です。それがどのような開発へ役立ったかというと、地球温暖化防止につながる再生可能エネルギ-の分野です。私が携わったのはバイオマスの分野で、間伐材や廃棄物といった物質を熱分解し発電や液体燃料(軽油・灯油・ガソリン・水素)といった代替えエネルギ-に変換するという技術を代表取締役という立場で、環境省・経済産業省、農林水産省等と行ってまいりました。少子化になりつつある時代に実業学校という学校が少なくなっているようですが将来の技術者を育成するといった学校はなくてはならない存在だと感じます。
私はこの度、令和4年度同窓会総会に於いて第7代会長より後を継ぎ第8代会長を拝命いたしました。学校を卒業して社会人となってからは、学校との行き来はなかったのですが、自分の子供達が東京実業高等学校で、お世話になることとなったのが役員の始まりで、次女が3年生の時には親師会の会長までさせて頂きました。その時当時の同窓会長より同窓会へのお誘いを受け同窓会の常任幹事として参加をさせて頂きました。その後副会長という大役を12年にわたり務めさせて頂き、そして第8代会長として母校の100周年の周年祭にも携わることが出来て大変光栄に思っております。
東京実業高等学校の発展の為、これからまだ150周年200周年と歴史を積み重ねていかなくてはならないと思っております。またこれからの少子化に向け母校の発展に先輩方たちが元気でいられるうちは益々の力強いご指導、ご協力をお願いしたいと思っております。
末筆ながら、東京実業高等学校の一層のご発展と皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。